腹式呼吸を理解しよう
歌うときになぜ腹式呼吸が大切だというのかを考えてみましょう。
まず腹式呼吸ならば、肺の中に多く空気を取り込むことが可能になります。胸式呼吸ではなぜ多く空気を取り込めないのかというと、肺の周りには、何があるのかというと、骨が取り囲んでいます。胸郭、肋骨が取り囲んでいます。ある程度のところまでしか、空気を取り込んで大きく膨らむ肺に対応して広がりません。更に肺を膨らまそうとしても、胸郭、肋骨が邪魔をして、これ以上は無理です。
では更に多くの空気を取り込むためにはどうすればいいのかといえば、肺を下側に膨らますことが、解決策です。胸郭の稼働する範囲は小さいので、肺は下に膨らみます。これでより多くの空気を取り込めます。肺を下に膨らますのが、腹式呼吸です。
風船を大きく吹くらませたものに小さな穴をあけて押すと、小さな力でも空気は勢いよく遠くまで飛び出します。腹式呼吸もより小さい力で声帯に大きな空気圧をかけ、声量の大きさにつながります。ただし、いくら腹式呼吸で、多くの空気を肺に取り込んで、大きな空気圧を声帯にかけても、声帯を鍛えて、声帯の筋肉大きくしていなければ、いい声は出ません。まずなにより、披裂筋や輪状甲状筋などを鍛えなくてはいけません。